伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.19Wednesday
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「蜜柑でも如何?」
2021.05.24Monday
政宗+成実+栽松院+その他のみなさん
「婆様がいらっしゃる!」
おばあちゃん初登場。
亀の甲より年の劫。
おばあちゃんは何でもお見通しなのです。
二人の追いかけっこと、急病のフリしてザネを騙すズッコイ政宗様が書きたかっただけなのに、軽~い小噺になるはずだったのに、追いかけっこの原因を追及していったら、なんだかどんどんシリアスに…。
家主も予想外の展開です。
しかしながら、おばあちゃん初登場。
家主の中ではのび太のおばあちゃんがモデル。温和で優しくていつも笑顔で膝枕してくれる様な女性です。
奥州一の美女だったって話もありますが(奥州一の美女が何人おんねん!?て思いますけどね…)、家主的には、見た目は普通の性格美人が希望。
栽松院様といえば蜜柑のイメージがついてしまた。天正日記に、蜜柑送って来たという記述があったので。
『おみかん』て京都でしか言わないのかな?
「婆様がいらっしゃる!」
おばあちゃん初登場。
亀の甲より年の劫。
おばあちゃんは何でもお見通しなのです。
二人の追いかけっこと、急病のフリしてザネを騙すズッコイ政宗様が書きたかっただけなのに、軽~い小噺になるはずだったのに、追いかけっこの原因を追及していったら、なんだかどんどんシリアスに…。
家主も予想外の展開です。
しかしながら、おばあちゃん初登場。
家主の中ではのび太のおばあちゃんがモデル。温和で優しくていつも笑顔で膝枕してくれる様な女性です。
奥州一の美女だったって話もありますが(奥州一の美女が何人おんねん!?て思いますけどね…)、家主的には、見た目は普通の性格美人が希望。
栽松院様といえば蜜柑のイメージがついてしまた。天正日記に、蜜柑送って来たという記述があったので。
『おみかん』て京都でしか言わないのかな?
「待て、時宗っ!」
「いーやーだー!!」
庭を駆け回る二人の青年を、擦れ違う者達は暖かい眼差しで見守っていた。
―――またやってるよ。
―――今度は一体何をなさったんだ、成実様?
―――喧嘩する程仲が良いとはこの事だな。
身分の上下を問わず、そんな想いを抱かせる迄に、城内では日常茶飯事である。
「二十歳も越えられたというのに、相変わらずですなぁ。」
「全くです…。」
二人の傅役達は、片や楽しそうに瞳を細め、片や鳩尾辺りを押さえて溜め息を吐く、それもまた見慣れた光景であった。
目に附いた椎の木に登り、立派な枝幹に身を隠して、成実は呼吸を整えた。一つ違いの従兄であり主君たる政宗より体格に勝る彼、幸い脚力には自信がある。
漸く撒いたか、とそっと顔を出してみれば、遠くから政宗が近づいて来るのが見えた。
「相変わらず、しつこいなぁ…。」
口の中で、声にならない呟きを漏らし、ひっそりと主の動向を窺う。
その姿が自身の潜む椎まであと十歩ばかりとなった頃、成実は我が眼を疑う様に瞼を大きく開き、視野に入る場面を凝視した。
政宗が突然胸を掻き、苦しげに地面に膝を着いたのだ。そのまま蹲り、背を大きく上下させて、荒い呼吸を繰り返す主君。
これは只事ではない。
慌てて枝から飛び降り、彼の元へと駆け寄る。
「如何した、梵!苦しいのか!?」
呼び掛けても、言葉は返らず。
「梵!!」
主の肩を半ば乱暴に揺すりながら再び声を掛けると、彼の左手がぬっと伸び、成実の二の腕をガッシリ掴んだ。
「捕まえた。」
彼特有の意地の悪い笑みを浮かべて上げられた顔には、苦渋の色など微塵もなく―――。
「お前っ!芝居かよ!?」
「俺の脚でお前に追いつけぬ事くらい、百も承知だ。」
「ズルイ!!」
「頭脳戦は得意分野だ。お前の事だから、この辺りに隠れていると思った。」
得意気に舌なめずりする政宗。手段の良し悪しはともかく、負けは負け。
華奢なくせにやけに握力のある手に引き摺られる様にして、ギャーギャー喚きながらも、成実は泣く泣く主に従った。
「婆様がいらっしゃる!」
蒼白の面で政宗が告げたのが、四半刻程前の事。
「お前行ってくれ!」
合わせる顔がないんだ。と、気位の高い彼が、珍しく懇願する眼で成実を見据えた。
きっかけは二年前。
養子に出され、他家を継いだ叔父が、家中を纏められぬまま伊達傘下として出陣した戦で、碌な働きをしなかった。その後もいざこざの絶えない事に腹を立てた政宗は、とうとう、
「この役立たずめ!手討ちにしてくれる!!」
そう言い放ち、実行に移さんと、馬を出そうとした。
人伝に聞いた叔父は、血相を変えて彼の元を訪れ、縋る様に頭を下げるので、流石に気の短い政宗といえど、相手は親戚、大好きだった亡き父の弟だ。命を盗るのも忍びなく許す事にした。
が、事態は思わぬ方向へ流れ、腰を上げた予想だにしない人物。叔父の母であり、政宗・成実の祖母、栽松院である。
『お話をしたいので、近々伺います。』
手紙を受け取った政宗が取った行動が、まず従弟を呼び出す事だった。
「如何にかしてくれ、頼むから。」
「やだよ。俺に如何しろってんだ。ちゃんと自分で会って話せよ。」
「後で美味い物食わせてやるから。な?」
『美味い物』という響きに若干心揺らいだ自身を叱りつつ、成実は断固として首を縦には振らない。政宗も必死に食い下がる。
その結果、鬼ごっこが繰り広げられる事と相なったのだった。
開け放たれた障子からひょっこり顔を覗かせると、
「あら、成実殿!」
祖母は嬉しそうに声を弾ませた。祖母に対する形容としては相応しくないかもしれないが、笑顔の可愛らしい女性である。
「お久しゅう御座います、栽松院様。」
「如何なさったの、改まって。ばばで宜しくてよ?ああ、そうそう、蜜柑でも如何?」
沢山頂いたのよ、と土産を差し出す彼女は、いつも通りのやんわりとした物腰で、独特の間を持っていた。先々代当主の後室というより、祖母と孫の気楽な空気の中、近況や想い出話を語りながら、和やかに時は過ぎて行く。
しかし、必要な時、必要な場所に鋭い矢を放つのも、彼女で。
「して、政宗殿は如何なされたの?」
「……。虫気で…寝込んでおります。」
「そう。昔からお腹の弱い子でしたものね。」
懐かしそうに瞼を下ろす祖母。
「そして貴方は、昔から嘘の吐けない子でしたね。」
ゆったりと紡がれた彼女の言葉の裏に隠された意味は、考えるまでもなく成実の胸を抉った。
実母に疎まれ、愛情を得られなかった政宗に、常々温かい手を差し伸べてくれた祖母。誰にでも優しく朗らかで、もちろん成実にもたわわに愛情を注いでくれた。二人共、彼女の事が大好きだったし、それは今も変わらない。
その祖母を騙すのは、あまりに心苦しくて―――。
「婆様、政宗は…。」
切り出した言葉を、祖母は掌で止めた。
「此度はこれにてお暇しましょう。可愛い孫の顔が見られて良かったわ。
政宗殿に伝えて頂戴な。彦九郎はばばが甘やかしてしまったかもしれないけれど、ばばからもよく言って聞かせますから、大目に見て貰えないかしら、と。」
手袋に覆われた右手を包み込む、革越しに伝わる祖母の手は温かく。
ちかちか燻ぶる瞼の奥の熱と、強く絞められた様に詰まる喉に苛まれ、
「必ず。」
成実は短く応えて、俯いた―――。
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遥瀬ねこたろう
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非公開
自己紹介:
伊達成実・伊達綱宗・大崎義宣をこよなく愛する京都人です。
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【1】記事のコメント(本文以外未入力可。家主が承認後公開設定。『非公開で』とお書き添え頂ければ公開致しません)
【2】拍手コメント(非公開)
【3】メールアドレス toki716zane@yahoo.co.jp (件名に『716日より』と入力お願いします)
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(08/07)
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