伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.19Wednesday
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「墓を建てて頂きたい。」
2021.05.23Sunday
政宗+小次郎+義姫+縫殿助+その他のみなさん
(小田原へ)行く前に やっておくべき事がある 母との食事と弟の始末
(↑三成に過ぎたるものが~のパロ(●∀´;))
そんなこんなで、伊達兄弟の切ないお話です。
流血注意!
長い長い構想の末に、形になりました。悲劇の貴公子・小次郎の結末。
うちの兄弟は仲良しさんで、「待ってるからな」にある通り、政宗様は小次郎が成長して自分の片腕になる日を待っていたんです。
秀雄は小次郎ではなく、その下の弟ですが、殆ど史料がないのを良い事に同一人物設定に…えへ。謎の人なのは、いないはずの輝宗さんの側室の子だから、とか、そういう理由かしら??
白萩で有名な秀雄のお寺は江戸だろ?て辺りは、知らなかった事にしてください///(∩Д∩)
裏付け捜査中に知ってしまった、某有名漫画で小次郎は死んだと思わせて実は仏門に入って生き延びた、という話があった事。
言い訳しても良い?
家主はあの濃ゆい絵が苦手で、その漫画読んだ事ないのーっ!パクった訳じゃないのーっ!!
長いのに成実の出番がないせいか、とても物足りない…。
やっぱり家主は成実が好きなんだな、とつくづく感じたので御座います(●∀´;)
(小田原へ)行く前に やっておくべき事がある 母との食事と弟の始末
(↑三成に過ぎたるものが~のパロ(●∀´;))
そんなこんなで、伊達兄弟の切ないお話です。
流血注意!
長い長い構想の末に、形になりました。悲劇の貴公子・小次郎の結末。
うちの兄弟は仲良しさんで、「待ってるからな」にある通り、政宗様は小次郎が成長して自分の片腕になる日を待っていたんです。
秀雄は小次郎ではなく、その下の弟ですが、殆ど史料がないのを良い事に同一人物設定に…えへ。謎の人なのは、いないはずの輝宗さんの側室の子だから、とか、そういう理由かしら??
白萩で有名な秀雄のお寺は江戸だろ?て辺りは、知らなかった事にしてください///(∩Д∩)
裏付け捜査中に知ってしまった、某有名漫画で小次郎は死んだと思わせて実は仏門に入って生き延びた、という話があった事。
言い訳しても良い?
家主はあの濃ゆい絵が苦手で、その漫画読んだ事ないのーっ!パクった訳じゃないのーっ!!
長いのに成実の出番がないせいか、とても物足りない…。
やっぱり家主は成実が好きなんだな、とつくづく感じたので御座います(●∀´;)
石段の下に供を待たせ、伊達政宗は一人山門を潜った。
いつもの厳つい眼帯を外し、長い前髪と笠で顔を隠して、無紋の羽織を纏った姿で。
白萩の咲き誇る境内には、掃除に勤しむ年若い修行僧が一人、此方に気づくとピタリと箒を止めて会釈する。
「和尚様に御用向きですか?」
柔らかい声に懐かしさを思えたが、素知らぬ振りで「いや。」と短く答えた。
「白萩があまりに綺麗だったから…。」
「ああ…。どうぞ、ゆるりと御覧になってください。今御茶を淹れて参りますので。」
庫裏へ向かおうとする少年僧。「先を急ぐから良い。」と制して去ろうとしたが、ふと足を止め、未練たらしく振り返って、少年の顔をまじまじと見据える。
「御事(おこと)、名は?」
見知らぬ男の不意の問い掛けに、少年は一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐにまた笑顔を取り戻し、
「秀雄(しゅうゆう)です。」
凛として答えた。
「秀雄…。」
馬の背に揺られながら、政宗は何度もその名を反芻する。
「まさかお連れになろうと?」
「まさか!」
そっと馬を寄せて来た参謀・片倉小十郎を鋭い眼光を以て睨めつけながらも、心中は靄の掛かったままだ。
「元気そうで良かったと…思ってただけだ。」
そう、それだけ。以上も以下もない。自分自身に言い聞かせるように、小さく呟いた。
三年前になるだろうか。
御家の存亡を懸けて、政宗は小田原へ天下人を訪ねねばならぬ事態に陥っていた。
行けば生きては帰れない。竹馬の友とも言える従弟が主人である政宗を殴ってまで止めようとした程、まさに生命の糸が切れるか否かのすれすれの勝負だった。
そんな中、長年自分を虐げて来た母から、一通の手紙が届く。
『今生の別れだなどとは思いたくないが、不安で仕方ないのです。母の祈りを込めた心尽くしの膳を用意するから、どうか旅立つ前に元気な顔を見せて貰えまいか。』
かつて自分を鬼子と罵った母が、ずっと会いたいと願いながら叶わなかった母が、手料理でもてなしてくれるという。
「何故、今になって突然?」
訝しむ者達に、
「母上はまだ政宗を捨ててはいなかったんだ!」
嬉々として答えた。冷静な判断力を欠いていた。それ程に、政宗にとって感慨無量の申し出だった事は言うまでもない。
十年をも超えるかの時を経て、久しく間近に顔を合わせた母は、流石に少し老けてはいたが、相変わらず美しかった。
「そなたには長きに渡り済まぬ事をした。近頃歳を取ったせいか、母は気弱になってしもうて…そなたが首を刎ねられる夢をよう見る。杞憂だと言い聞かせても、悪い予感が失せぬのじゃ。
政宗。是非これを持って行け。」
白く細い指が差し出したのは、薄紫の石を繋いだ数珠。
「日々、大殿に祈りを捧げて来た水晶の念珠じゃ。きっと父上がそなたを守ってくださる。」
それを握らせた右手をそっと包み込んだ母の手は温もりに満ちていて、二人の間に巡らされていた溝が埋まっていくかの様で―――。
そこへ、障子の外から呼び掛ける侍女達の声。
静々と運ばれた膳は決して豪奢なものではないが、それはそれは美味そうで、愛しい母の作と思うと尚更気持ちが高揚する。
毒見を申し出た者もあったが、「母上を愚弄する気か!」とつい声を荒げてしまい、皆外で待たせる事にした。
誰にも遠慮なく、二度とないかも知れない一時(ひととき)を、母と二人きりで過ごしたかったから―――。
「母上、頂きます。」
箸を手に取った、その時だった。
「殿!御免!!」
座敷に飛び込んで来たのは表で主を待っているはずの小姓で、目の前の膳から汁碗を掠め取ると、その口に吸い物を流し込んだ。
「お前っ!無礼なっ!!」
「薬を入れたのは此方の膳かと、侍女の方が話し、て…っ!」
言葉半ばに小姓は床に倒れ込み、呻きながら喉を掻き毟る。そしてみるみる顔が蒼くなり、やがて泡を噴き出す。
―――吸い物に毒が込められていた事は疑いようもない。
「誰か!薬師を呼べ!」
怒鳴る様に供を呼ぶと、政宗は意識のなくなった小姓を抱えて座敷を出た。肩越しに一瞬覗き見た母は、両の袖で顔を覆い、表情は読み取れなかった―――。
月明かりの下訪れた小原邸内は騒然としていた。当然か、こんな夜中に突然、当主一行が訪ねて来たとあっては。
「小次郎はいるか?」
迎えた縫殿助は「すでにお寝みですが」と渋ったが、流石に只事ではないと察し、主の元へと向かった。
小原縫殿助は政宗の弟・小次郎の傅役である。弟は母から「客人があるから」と外出を勧められ、それに従い傅役の屋敷に泊まっていた。
「兄上。お久しぶりです。火急に如何なさいましたか?」
傅役の言葉通りすっかり夢の中であっただろう弟は、「着替えなくて良い」の言伝を聞き、あくびを噛み殺しながら寝巻で現れた。
「小次郎。話したい事はわかるか?」
「?一体何のお話でしょうか?」
きょとんとした瞳は全く曇りがなく、それが余計に政宗の胸を締めつけた。
―――小次郎が事の次第を知っていれば良かった。
そうすれば、こんなに苦しい想いをせずに済んだのに。
目頭が熱くなるのを感じた。霞む視界の中、刀に手を掛け、鯉口を切る。
「あ、に、うえ…?」
何も知らぬ弟の瞳に恐怖の色が浮かぶ。
一歩、また一歩、間合いを詰める。持ち慣れた刀が今宵はやけに重い。
やがて弟の背が柱に触れた。
「小次郎。いつかお前と共に…天下を取りたかったよ……。」
語尾が上擦るのがわかった。瞼の奥は燃える様に熱い。
意を決して踏み込む。
―――ズシュッ!!
幾度となく聞いたはずの、しかし何度聞いても慣れる事のない、気味の悪い音。
ガタンッ!!
派手な音を立てて、弟の身体が襖ごと廊下へ倒れ込み、白い襖紙はあっという間に紅く染め上げられていく。
「っ!あ…に……。」
小刻みに震える指、涙に濡れた瞳、消え入りそうな弱々しい声。
少しでも苦しまぬ様に、心臓を一突きにするつもりだったのに―――大切な弟を想う躊躇いが、滲んだ涙が、掌の汗が、手元を狂わせ、皮肉にも弟を苦しめる結びとなってしまった。
「小次郎様!?」
物音を聞きつけて駆けて来た縫殿助の眼に映ったのは、血の海に横たわる主の姿。
「殿!これは如何いう事ですか!?」
二人の間に割り入り、主を庇う様に抱き込む縫殿助。
「母上は…俺を殺して小次郎を当主に据えるおつもりなのだ…。」
刀を引き摺り、うわ言の如く零す政宗の目は虚ろで、意識は不明瞭に思われた。
縫殿助は瀕死の主の身を抱き上げると、固唾を飲んで、震える脚に力を込めた―――。
仄暗い廊下の奥から主が姿を現すと、玄関脇の間で待つよう命じられていた片倉小十郎と家老の鬼庭綱元はすっくと立ち上がり、足元の覚束ない主を迎えた。
「殿、御無事で。」
差し出された小十郎の腕に身を預ける様にもたれ掛かると、すかさず綱元が声を掛ける。
「御曹司様は如何なされた?」
「……縫殿助が連れて逃げた…。」
「追わぬおつもりで?」
「…良い。捨て置け。」
「左様で?」
日頃から口数の少ないこの男、短い言葉の端々に威圧感があり、何故追わぬのか、このまま放置して良い訳がないという抗議の念が込められているのは感じ取れたが、敢えて気づかぬ振りをした。
この手に残る感触と、瞳に焼きついたあの光景から、とにかく解放されたい。
今はただただ眠ってしまいたかった―――。
遠くに梟の声が聴こえる。夜はとっぷりと更けて人々は誰も寝静まっているというのに、突如乱暴に扉を叩く音が響いた。
起き出して来た小坊主達が何事かと顔を見合わせ、恐る恐る扉を開けると、そこには見知らぬ男が立っていた。
「どうか、お助けください!」
必死の形相の男。よく見ると、その背には一人の少年が負ぶわれている。少年は一見して傷の位置がわからぬ程、全身血に塗れ、虫の息だ。
「これはいけません。どうぞ中へ。すぐに手当てをせねば。」
夜更けに呼び出された薬師と小坊主達のおかげで、少年は如何にか一命を取り留めた。
外はまだ薄暗いが、早朝の匂いがする。
「さぁ、次は貴方の番ですよ。」
足を引かれ、縫殿助は初めて己の足が傷だらけで、爪も数枚剥がれてしまっている事に気づいた。遅れて痛みが訪れる。無我夢中で闇に包まれた山道を裸足で走っていたのだ。怪我をしない方が不思議と言える。
「さぁさぁ、足を見せてくださいな。」
微笑む小坊主に、
「私は結構です。それよりも、和尚様にお頼みしたい事が。」
悲痛な面持ちで縋りついた。
屋敷を飛び出した時から決めていた。
政宗は気性の荒い人ではあるが、何も好き嫌いで血を分けた弟を斬り捨てる様な人ではない。なかなか会う機会を持てなかったとはいえ、兄弟の仲は決して荒んだものでない事は自分もよく知っている。小次郎はいつも兄への憧れを語っていた。
『母上は…俺を殺して小次郎を当主に据えるおつもりなのだ…。』
あの時政宗は確かにそう言った。
それはつまり、二人の母である保春院が政宗の殺害を企てたに違いない。小次郎を小原邸に追い出し、計画を実行して、失敗した。だから、あんな夜中にわざわざ訪ねて来たのだ。
許されぬ事をした。
裁かれるはずだった小次郎を逃走させるなど。
しかし、何も知らぬ少年をむざむざ死なせる事は出来なかった。誰にでも優しく、笑顔を絶やさない、純朴な少年を、身に覚えのない罪の下に死なせるなど。
そうして決めたのだ。
「小次郎様の墓を建てて頂きたい。」
小次郎が命を繋いだ今、それは偽りの墓となる。それで良い。その墓前で傅役が腹を切れば、誰もその墓が偽物だなどとは疑わないだろう。主の身は安泰だ。
「和尚様。どうか小次郎様を宜しくお願い致します。」
戸惑う和尚を前に、縫殿助は深々と頭(こうべ)を垂れた。
「あれが小次郎か?」
庭の石に座ってぼんやりと空を仰ぐ少年を見て、隻眼の青年は尋ねた。
「今は『小次郎』では御座いませぬ。『秀雄』と名づけました。」
肩を並べた和尚が答える。
「何故(なにゆえ)に彼が此処におる事を御存知で?」
「偵察の衆がいるからな。」
「そうですか…。ならばもう御存知でしょうが、失血のせいか心の問題か、御曹司様は記憶を失くしておいでです。拙僧が弟子として引き取ります故、このままそっとしておいて頂けませぬか?」
和尚の言葉通り、既に知っていたらしい政宗は、切なげに瞳を細めて踵を返すと、
「さて。死んだ弟の墓に花でも供えて帰るとするか。」
わざとらしく独り言ちて、石段を下りて行った。
骸のない墓の傍には、それを見守る様に、小原縫殿助の墓が建てられている―――。
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