伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.19Wednesday
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「昔話を聴かせて」
2021.04.17Saturday
成実+右馬+政宗+小十郎
元服前の『御子様シリーズ』、二十歳前後の『大人シリーズ』と来て、ついに突入、三十路前後の『もっと大人シリーズ』!(●∀´*)
ついに来てしまった、成実の出奔です…。
その逸話を知った時、色んな理由を思い巡らしました。皆様それぞれ考えがあるかと思いますが。
世に言われる恩賞に対する不満、殿との不仲、借金、殿との共謀で出奔したフリ…等。
個人的には、初め、最後の理由であって欲しいな、と思ってました。
でもそうすると、角田で討死した家臣達の立場は?まぁ、どれにしても、家臣を見捨てた事に変わりないけど…。
羽田の横暴に不満を抱いた他の家臣達が本家に羽田討伐を依頼した、という話もありますが、その頃の『羽田』が右馬でなく息子の方だったら別として、右馬の事だったとしたら、成実はきっと右馬のこと心から信頼して、角田を任せてたと思うんですよ。
そんな人が、身内に討たれるような事してたとは思えない。
で、右馬だとしたら結構なお爺ちゃんですよね。
右馬と成実、お爺ちゃんと孫。
右馬は最期まで成実の為に戦ったんだというのが、家主の主張です!(うちには羽田息子いません。)
あと、嫁が先に逝ってしまったのも追い打ちかな…。(大河では健在だったけど。嫁も息子・娘も。)
『責任』という概念が当時からあったのか、気になる所です……。
元服前の『御子様シリーズ』、二十歳前後の『大人シリーズ』と来て、ついに突入、三十路前後の『もっと大人シリーズ』!(●∀´*)
ついに来てしまった、成実の出奔です…。
その逸話を知った時、色んな理由を思い巡らしました。皆様それぞれ考えがあるかと思いますが。
世に言われる恩賞に対する不満、殿との不仲、借金、殿との共謀で出奔したフリ…等。
個人的には、初め、最後の理由であって欲しいな、と思ってました。
でもそうすると、角田で討死した家臣達の立場は?まぁ、どれにしても、家臣を見捨てた事に変わりないけど…。
羽田の横暴に不満を抱いた他の家臣達が本家に羽田討伐を依頼した、という話もありますが、その頃の『羽田』が右馬でなく息子の方だったら別として、右馬の事だったとしたら、成実はきっと右馬のこと心から信頼して、角田を任せてたと思うんですよ。
そんな人が、身内に討たれるような事してたとは思えない。
で、右馬だとしたら結構なお爺ちゃんですよね。
右馬と成実、お爺ちゃんと孫。
右馬は最期まで成実の為に戦ったんだというのが、家主の主張です!(うちには羽田息子いません。)
あと、嫁が先に逝ってしまったのも追い打ちかな…。(大河では健在だったけど。嫁も息子・娘も。)
『責任』という概念が当時からあったのか、気になる所です……。
「それじゃあ百姓は飢えちまうだろ!」
城内に怒声が響き渡る。
「だったらどうしろってんだ、ああ!?」
それに応える様に、また別の怒声。
向かう先の有様を想像しながら、小十郎はこめかみを押さえて深い溜め息を漏らした。
目的の主人の居間を訪ねると、声を掛けるまでもなく、障子は全開になっており、中には今にも掴み合いになるのではないかという程、緊迫した空気が充ち充ちていた。
もう二十年来のつきあいになる我が主人・伊達政宗と、その従弟であり我が息子の烏帽子親・藤五郎成実である。
つきあいが長いだけあって、この二人の喧嘩は幾度となく見て来たが、近頃はほぼ毎日こんな状態。
通常であれば大事に至る前に下の者が退くところだが、幼い頃より共に育った従兄弟同士、更に成実の了承し難い事には決して折れない精神が、他の主従では有り得ない現況を作り出してしまう。
実直過ぎるのも考えものだ。
「御二方、女中達も怯えております故、そろそろお開きに致しませんか?」
小十郎の提案に、政宗はふんと鼻を鳴らして背中を向け、成実は「御免!」と一礼して、床を踏み鳴らしながら退出した。
すれ違い様、
「殿も家を守る為に必死なのです。お汲み取り下さいな。」
小十郎から告げられると、
「そんな事はわかってる。」
独り言の様に呟いて。
背中に感じる畳の感触が心地良く、大の字に寝そべってぼんやりと天井の節を数えている内、気がつけば西の空が朱く燃えていた。
もうすぐ夜が訪れるというのに、何やら外が騒がしい。
ああ、そうか。
今宵は祭だと誰かが言っていたっけ―――。
故郷では祭は農業と密接に結びついて、何処か土の匂いの漂うものだったが、都人はあれやこれやと装飾を愛でる祭を好むらしい。聚楽から少々外れたこの伏見でも、それは変わらぬ様だ。
なんだか、瞬きさえも億劫になってしまった。いっそこのまま眠ってしまおうか、と瞼を下ろしかけた時、
「若。」
障子越しに届けられた声。
「右馬之助に御座います。」
すらりと開かれた障子の陰から現れたのは、亡き父の若い頃より我が家に仕えて来た老臣・羽田右馬之助実景。生まれてからこれまでの全てを知っている、頼れる人生の師匠であり、祖父の様な存在でもある。
「若。この所は随分と思い悩んでいらっしゃる様で。」
成実はだらしなく手足を投げ出したまま、「んー」と曖昧な、返事ともつかない声を発しながら、右馬之助から視線を外した。
「御当主には若のお気持ちは通じませぬか…。」
廊下に座ったままの爺やの溜め息に被せる様に、
「わかるんだ。」
ようやく成実が口を開く。
「梵の苦労もわかるんだ。領土を広め、臣も領民も増えれば、昔のままのやり方じゃ国を支えきれない。多少の犠牲も必要かもしれない。
けど、人がいなきゃ国は成り立たない。そこは一番犠牲に出来ない所だろ?」
昂ぶった気持ちを抑える様に、空(くう)を見据えたまま息を継ぎ、
「俺にさ、当主になれって奴がいるんだ。」
それはまるで独白の様。低く掠れた声音。
「梵を追って俺に当主になれって。それも一人、二人じゃない。」
瞼の裏に眼前にない面々の容(かたち)を思い描く。
「それだけ信頼を得ていると思えば、喜ばしい事ですな。」
「俺は梵が嫌いな訳じゃないし、伊達家の当主はあいつしかいないと思ってる。自分が当主になる気はないよ。」
「しかし、進言して来る者達は納得しない、とお悩みですか?」
「……。流石、右馬だな。」
苦い表情(かお)で再び右馬之助を見やると、彼は無表情で固まっていた。
「最近梵とは喧嘩ばかりしてるし…此処にはもう、俺の居場所はないのかな?」
誰にともなく零した言葉。それを拾い、極神妙な面持ちで、右馬之助が告げた。
「若…家を出られてみては?」
と。
一瞬思考が鈍ったが、その意味を理解すると同時に、成実は眼を見開いて跳ね起きた。
「右馬?今、何て…?」
「若が家を出られれば、据えるものがなくなります故、下々の者共も翻意など捨てましょう。若も薄々お気づきの事と存じまする。」
「……うん。」
「右馬之助にしましては、若はかけがえのない主であり、亡き大殿よりくれぐれもと仰せつかっておりまするが、御家の問題を一身に引き受け御身を害される姿など、見とうは御座らぬ。いっそ責任など捨てて、御自愛なさるも宜しいかと…。」
生まれた時から生粋の伊達の子だった。
父も母も本家の出身、己がこの家を出るなど、一度たりとも考えた事はなかった。
ずっと、それはもう死ぬまで、当主を支え守って行くのが己の役目だと思っていた。
「出奔…。」
それが大罪である事は承知している。だが、父も母も妻も子も、すでにこの世にはない。気掛かりなのは、大切な家臣達だが―――。
「右馬も共に行くか?」
小声で問い掛けると、
「いいえ。」
彼はキッパリと断った。
「右馬之助は角田へ戻り、御留守居を務めまする。若がいつでもお帰りになれる様、角田をお守りせねばなりませんのでな。」
目尻をぐっと下げた翁面。
幼い頃、父や傅役に叱られると、決まってこの爺に飛びついたものだった。
右馬之助の膝枕で昔話を聴くのが好きで、自分からせがむくせにいつも途中で眠ってしまう。それでも表情を曇らす事なく、強請(ねだ)る度にまた語ってくれたっけ。
「右馬。久しぶりに昔話を聴かせてくれないか?」
口にしてみたものの、いい大人が…と自嘲しそうになったが、爺は軽く腰を叩きながら敷居を越えて座り直し、
「さてさて、今宵は何の話を致しますかのぅ?」
ポンと己が膝を打ってみせた。
祭の囃子を背景に、爺の若かりし頃の武勇伝でも聴こうか。成実は昔の様にごろりと右馬之助の膝に頭を預けた。
翌々日、当主・政宗を支え続けた片翼は、伊達屋敷から姿を消した―――。
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遥瀬ねこたろう
性別:
非公開
自己紹介:
伊達成実・伊達綱宗・大崎義宣をこよなく愛する京都人です。
ご連絡は以下の3つの方法にて承っております。
【1】記事のコメント(本文以外未入力可。家主が承認後公開設定。『非公開で』とお書き添え頂ければ公開致しません)
【2】拍手コメント(非公開)
【3】メールアドレス toki716zane@yahoo.co.jp (件名に『716日より』と入力お願いします)
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御尋ね者は此方から
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(08/07)
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