伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.20Thursday
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「堕ちました。」
2021.04.17Saturday
成実+八助+その他のみなさん
もっと大人シリーズ第2弾。(このシリーズ名、本気で続ける気だろうか…?)
がっつり繋がってますので、「昔話を聴かせて」を先にお読みになった方が宜しいかと。
『史実知ってるから関係ないZE☆』て方は、このままお進みください→→→
出奔中の成実のお話。
家主もビックリ!まさかの八助、再登場ですっ!!ヽ(●∀´*)ノ
彼はあれ以来、ちゃんと約束を守って、誠心誠意成実に仕えて来ました。(「カッコ良かったぜ」参照)
初登場時は、まさかまた陽の目を見る時が来ようとは、家主も思いませんでしたわ。
良かったね、八助。『ハチスケ』て打たないと変換してくれないけどね(●∀´;)
あ、彼は追剥に遭ったのではなく、角田の攻防で怪我したんです!念の為。
成実は仏門に入った訳ではないので、修業とかしてません。高野の寺に居候してるだけです。
宇佐美長光も愛用の薙刀も持って来てますよ。誰もいない所で、ぶんぶん振り回してます。
一応ボンボン育ちな成実が、掃除したり木仏彫ったりしてるところを想像して、ちょっと良いかもって思った…///
大河で、草履作ったり、小十郎に鍋をご馳走したりするシーンも好きですが。
あの場合、何処から金が出てるんだ?
着物すらも捨てて来てた様なのに、帰参の時の武具や馬は何処から手に入れた??
成実が黒猫を見て誰に似てると思ったのかは、ご想像にお任せします。
もっと大人シリーズ第2弾。(このシリーズ名、本気で続ける気だろうか…?)
がっつり繋がってますので、「昔話を聴かせて」を先にお読みになった方が宜しいかと。
『史実知ってるから関係ないZE☆』て方は、このままお進みください→→→
出奔中の成実のお話。
家主もビックリ!まさかの八助、再登場ですっ!!ヽ(●∀´*)ノ
彼はあれ以来、ちゃんと約束を守って、誠心誠意成実に仕えて来ました。(「カッコ良かったぜ」参照)
初登場時は、まさかまた陽の目を見る時が来ようとは、家主も思いませんでしたわ。
良かったね、八助。『ハチスケ』て打たないと変換してくれないけどね(●∀´;)
あ、彼は追剥に遭ったのではなく、角田の攻防で怪我したんです!念の為。
成実は仏門に入った訳ではないので、修業とかしてません。高野の寺に居候してるだけです。
宇佐美長光も愛用の薙刀も持って来てますよ。誰もいない所で、ぶんぶん振り回してます。
一応ボンボン育ちな成実が、掃除したり木仏彫ったりしてるところを想像して、ちょっと良いかもって思った…///
大河で、草履作ったり、小十郎に鍋をご馳走したりするシーンも好きですが。
あの場合、何処から金が出てるんだ?
着物すらも捨てて来てた様なのに、帰参の時の武具や馬は何処から手に入れた??
成実が黒猫を見て誰に似てると思ったのかは、ご想像にお任せします。
子供染みた事をした。とは今も思っている。
伏見の屋敷を出て半年になる。正確に表現するならば、家を捨てて、だ。
高野山とは意外にも心地好い処だと知った。風も美味ければ飯も美味い。気紛れに掃除をしたり、木仏を彫ってみたりと、自由気ままに暮らす日々。戦に明け暮れていた頃は、こんな生活を待ち望んでいたのかもしれない。
庭先に一匹の黒猫が現れた。金色の瞳を細めて、じっと此方の様子を窺う。
「誰かに似ているな。」
懐かしい顔が脳裏を掠め、頬が緩んだ。
衣の汚れるも厭わず、姿勢を低く、匍匐(ほふく)しながら、ゆっくりと近づいていく。
もう少し。あと一寸で手が届く―――。
「成実殿!」
背後からの突然の雑音。寺の冠者だ。猫は驚いて、刹那に茂みの陰へと消えてしまった。
「ああー…もう少しだったのに…。」
「成実殿、その様な格好で一体何を…。御客人ですよ。」
「客人?」
有体に言えば、またか、と思った。
当然と言えば当然であるが、高野に籠もって以来、何処から聞きつけたのか、当主は次々と使者を送って来た。
皆一様に「帰って来い」「今なら許すから」と誘いを掛ける。
つい先日も、軍師が差し向けられたばかり。当主の代弁に止まらず、長いつきあいの中の想い出話など交えつつ、要処要処に選び出される巧みな言葉運びに心揺らいだ。流石『智の小十郎』の異名を取るだけはある、と感心したものだ。
だが、覚悟を背負って出奔した意味を反芻すると、帰れはしないと断った。
今日は一体誰が来たのだろうか?
どうせ誰であろうとも同じ事、もう着替えるのも面倒で、真っ直ぐ座敷へ向かった。
汚れた衣で襖を開けると、待たされていた客人はもっと汚れていた。
「八助っ!如何したっ!?」
「―――成実様…。」
虚ろな瞳に捉えられた。
それは、過去の過ちを償う様に、誰よりも誠実に己に仕えた、三つ年少の家臣。全身泥と埃と血に塗れた酷い有様で、零れそうな涙を必死に堪えていた。
追剥にでも遭ったのか。
しかし、留守居を任せた右馬之助と共に角田へ帰ったはずの八助が、何故書状を寄越すでもなく、此処を訪ねて来たのか―――。
震える唇から如何にか吐き出された蚊の鳴く様な声は、俄かには信じ難い言葉を象った。
「角田の城が堕ちました。」
と。
今宵は月が無い。
厚い雲が立ち込めた暗闇の中、燭台の灯だけが儚く揺らめいている。
褥の上に胡坐を掻いて、半刻。傍らを見遣ると、不格好な包帯に身を包まれた若武者が、静かに寝息を立てている。
『主と枕を並べるなど恐れ多い!!』と逃走を図る八助を、『怪我人は礼よりまず寝め!』と布団に放り込んだ。緊張の為か、なかなか寝つけなかった様だが、漸く寛いだか。
「こんな、包帯もろくに巻けない様な俺に、よく仕えてくれたよな。」
解けかけた包帯を結び直し、独り言つ。
瞼を閉じると、月が大好きな主と翁面に瓜二つの老臣の顔が交互に浮かんで来た。
聚楽だ伏見だ朝鮮だと空けてばかりだったとはいえ、己の居城である角田。当主の命により、その角田は接収されたのだという。
『若がいつでもお帰りになれる様、角田をお守りせねばなりませんのでな。』
屋敷を抜け出す二日前、そう言って笑った右馬之助は、此度の攻防で討死した。角田の臣の多くが宗家に寝返っても、最期まで退かなかったのだと。
「右馬…。」
ほたりと手首に水滴が落ちた。
「いつだって慎重派だったのにな。」
無闇に前進して部隊を壊滅させるよりも、ときには退却し隊を守る事も強さだと唱え続けた右馬之助。それを無視して、ひたすら突っ込んで行った成実。
結局は右馬之助も成実につき合わされ、『もう若くは御座らぬ故、もう少し労わって頂きたいものですのぅ』と腰を叩く。
それが戦の常だった。
「退いても良かったんだぜ?俺、いなかったんだからさ。」
嗚咽は次第に堪え切れなくなって来た。
両手で褥を掻き毟る。
仄かな灯りの下、それでも不自然とわかる色をした右手がやけに目についた。赤黒く歪に変形し、爪も生えない火傷の右手。
父が亡くなる寸前、この手に触れて言った。自身に火傷を負わせてまで守りたかったものは何か。その精神(こころ)を大切にするようにと。
父の願いを裏切ってしまった。己を支え育ててくれた者達を守れなかった。
如何すれば良いのだろう。
如何すれば良かったのだろう。
もうすぐ蝋燭が燃え尽きる。
今はただ、八助よ目を覚まさないでくれと、それだけを祈った―――。
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遥瀬ねこたろう
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非公開
自己紹介:
伊達成実・伊達綱宗・大崎義宣をこよなく愛する京都人です。
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【1】記事のコメント(本文以外未入力可。家主が承認後公開設定。『非公開で』とお書き添え頂ければ公開致しません)
【2】拍手コメント(非公開)
【3】メールアドレス toki716zane@yahoo.co.jp (件名に『716日より』と入力お願いします)
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御尋ね者は此方から
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(08/07)
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