伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.19Wednesday
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「家族になるには充分過ぎる」
2021.03.28Sunday
政宗+成実+小十郎+淡路
成実が故郷へ帰るちょっと前。
ありがとうとおめでとうの気持ちを込めて。
たまには素直になってみるのも良いんじゃない?
所々に隠し味程度のささやかな史実風味(●∀´*)
料理が趣味の政宗様とか(そんな若い時の話じゃないだろうけど)、お酒に弱いとか、成実の薙刀とか。
実元さんが酒豪かどうかは…知らない。
でも、うちの成実は強いです。政宗様が酔った時に、助けてあげなきゃなんないから。
『慣れた手つきで』羽織を掛けてあげてる処に注目してください♪
実際いつからいつまで米沢にいたか不明、むしろ殆どいなかったんじゃね?説もある成実ですが、うちのザネは10年くらい米沢にいました。細かい処は、また別頁で書く予定。
この頃はまだ政宗様が家を継いでないので、小十郎の立場も重くなく、『成実様』と呼んでおります。政宗様が当主になった頃から『成実殿』になります。(「趣味悪い……。」参照。)
政宗様が成実の家督相続を素直に喜べないのは、実は自分より先に城主になった(大人になった)事に対する嫉妬でもある、という部分を上手く書けなかった、私の力不足…(*●Д;*)
多分、当時の『家族』は今と意味合いが違うんだろうけど、良い言葉が見当たりませんでした……グスン。
成実が故郷へ帰るちょっと前。
ありがとうとおめでとうの気持ちを込めて。
たまには素直になってみるのも良いんじゃない?
所々に隠し味程度のささやかな史実風味(●∀´*)
料理が趣味の政宗様とか(そんな若い時の話じゃないだろうけど)、お酒に弱いとか、成実の薙刀とか。
実元さんが酒豪かどうかは…知らない。
でも、うちの成実は強いです。政宗様が酔った時に、助けてあげなきゃなんないから。
『慣れた手つきで』羽織を掛けてあげてる処に注目してください♪
実際いつからいつまで米沢にいたか不明、むしろ殆どいなかったんじゃね?説もある成実ですが、うちのザネは10年くらい米沢にいました。細かい処は、また別頁で書く予定。
この頃はまだ政宗様が家を継いでないので、小十郎の立場も重くなく、『成実様』と呼んでおります。政宗様が当主になった頃から『成実殿』になります。(「趣味悪い……。」参照。)
政宗様が成実の家督相続を素直に喜べないのは、実は自分より先に城主になった(大人になった)事に対する嫉妬でもある、という部分を上手く書けなかった、私の力不足…(*●Д;*)
多分、当時の『家族』は今と意味合いが違うんだろうけど、良い言葉が見当たりませんでした……グスン。
「梵、俺、大森へ帰るんだ。」
それはそれは嬉しそうに、従弟は告げた。
「父上が隠居するから、跡を継げって。輝宗様の御許しも貰ったよ。」
主人たる政宗の居間の縁側から垂らした脚をぶらつかせて、彼は庭を眺めている。本日の空模様の如く清々しい表情で。
部屋の隅で筆を走らせていた政宗は、一旦手を止めたが、「そっか」と小さく零すと、また同じ動作に戻った。
「喜んでくんないの?」
一つしか変わらないというのに、うんと幼く見える従弟・成実が大きく背を反らして室内を覗き込む。
「ああ、そうだな。煩い奴がいなくなってせいせいする。そいつは喜ばしい事だな。」
「またそういう事言う。素直に寂しいって言えば良いのに。」
寂しくないと言えば嘘になる。だが、其処は何も言わずに、聞かなかった振りをした。
成実は偽る事を嫌うから―――。
「もう十年なんだな。」
開け放した障子の向こうに月を愛でながら、盃片手に政宗が呟いた。
当時まだ時宗丸という名だった成実が小姓として米沢へ呼ばれて十年、元服もしたし、初陣も飾ったが、その間に彼が帰省したのは、両手の指で足りる程度の幾度かだけ。
過去の柵(しがらみ)が尾を曳いた『小姓』という名の体の良い証人。
それを知っていながら、彼はいつでも努めて明るく振舞って来た。両親の元へ帰りたいと願いながら、たった一度、自分に縋って泣いたきり、前にも後にも決して口にはしなかった。
その成実が父の跡を継ぎ、念願の故郷へ帰る。それは至上の喜びであろう。
なのに何故、自分は素直に祝ってやれないのだろうか?
「共に過ごした時間が長過ぎましたか?」
下座に控えていた傅役・片倉小十郎が、絶妙の呼吸で割り入って来た。
「この小十郎が政宗様にお仕えするより前から、ずっとお傍にいらした。十年という月日は家族になるには充分過ぎる時間に御座いますれば。」
「ああ…そうだな。」
いつも傍にいて当たり前になっていた存在が急に視界から消える。口を縫い留めたくなる程よく喋り、忙しなく動き回る落ち着きのない高麗鼠(こまねずみ)だから、余計にその穴が大きいのだ、きっと。
「何か御祝いの品でも差し上げては?」
「祝い…か。」
まだ家督を継いでいない自分があまり大事にする訳にはいかない。思案を巡らせつつ、今宵の三日月を映し取った右手の盃を一気に飲み干した。
ヒュン――!
振り下ろした薙刀が風切り音を立てた処に、「成実様」と聞き慣れた声が投げられた。振り返ると、予想に違わず傅役・阿部淡路の姿。
「淡路。相手になるか?」
「いえいえ。只今は若君からの言伝(ことづて)を預かって参りましたので。」
「梵から?」
廊下に膝を着く淡路の傍までハタハタ駆け寄り、「なになに?」と先をせがむ。
「今宵、酉の刻、若君のお部屋に参られるように、と。」
「梵の部屋?…うん、判った。行くって言っといて。」
一瞬視線を空に走らせたが、如何なる用か考えるのをあっさりと放棄し、庭へ降りて再び薙刀を振り出す成実。
まったく…『勇武無双』とは誰が称したものか……。
出会った頃を思い返し、その成長ぶりに、傅役は嬉しい溜め息を漏らした。
陽が沈み、月がうっすらと東の空に貼りついた頃、前にした通い慣れた襖。
「藤五郎成実に御座います。」
其処に誰がいて、どの様な用件なのかを慮り、珍しく礼を供してみたが、中からは
「おう、入れ。」
と砕けたいつもの調子の声が返った。
すらりと襖を引く。よく知った主の居間には、上座に部屋の主と、その脇に彼の傅役、二人だけが座していた。
ただいつもと違うのは、其処に膳が並べられているという事―――。
「?饗応??」
「見ての通りだ。座れ。」
日頃この居間で食事をする事はないので、成実はつい戸惑ってしまった。勧められるままに席に着くと、向かい合う形となった小十郎が口を開く。
「今宵は成実様の家督相続を祝って、政宗様が手料理にてもてなしたいと仰せられました。」
「梵が?手料理!?」
眼前に広がる膳は、何処の良家の客人を迎えても恥ずかしくない様な仕上がりである。
政宗がたまに料理に勤しんでいるのは見ていたし、幾度か味見をさせられた事もあり、その腕が児戯でないのは承知していたが、まさかこれ程本格的になろうとは。
「いつまでも眺めてないで、食え食え。今夜は無礼講だ…っても、お前はいつも無礼だけどな。」
ハハハ、と声を立てて笑う政宗。その様子に、成実の脳裏に十年の年月が蘇る。
笑うどころかろくに口も利かなかった初めの頃、少しずつ話をするようになり、笑顔や涙を見せるようになり、いつしか強く気高い男子となって、かつては自分が守ってやらねばという想いが占めていたが、近頃は成実の方から甘えるようにもなった。頼り甲斐を見出せるようになった。
此処へ来て良かった―――。
それは社交辞令ではなくて。
政宗にとっても、成実にとっても、それは確かに必要な時間であったのだ。
「お前が政って…大丈夫かよ?」
「馬鹿にすんなよ。一緒に学んだじゃねーか。」
「全く俺に追いつけなかったろ?学業では。」
「う……。」
今宵は想い出話を肴に酒を酌み交わそう。こんな穏やかな宴、次はいつ来るとも知れないから―――。
夜はとっぷりと更けて、辺りは静寂に包まれていた。小十郎は半刻程前に席を外し、宴の主催者は畳に転がって、すっかり夢の中だ。
あまり自覚はないが、父に似て酒に強いらしい成実一人、取り残されてしまった。
「梵。風邪ひくよ?」
呼び掛けたが、全くの無反応。
「ったく…飲み過ぎだろ?弱いくせに。」
そう呟きながら、床の間に無造作に脱ぎ捨てられていた羽織を拾い、慣れた手つきで肩に掛けてやる。
「…梵。何かあったら遠慮なく呼べよ?いつでもすぐにすっ飛んで来るからな。」
誰にともなく、独り言ちた。
静かに襖を開けて出て行く様子を、主が微かに隻眼を開いて見ていた事を、成実は知らない―――。
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伊達成実・伊達綱宗・大崎義宣をこよなく愛する京都人です。
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