伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.19Wednesday
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「待ってるからな」
2021.03.28Sunday
政宗+小次郎+虎哉和尚
兄弟二人でお出掛け。
ずっとこんな時が続けば良いのに…。
ほのぼの小噺です。
ときみなり初!成実が出て来ません!!(*●∀゜*)
天正15年、政宗様が小次郎を資福寺に連れてった。という逸話を目にしまして、たまには成実の出ない話も書いてみようかと。
この兄弟は、ホント切ない。
家主は、兄弟仲は良かった派。母親の影響で小次郎は兄を嫌ってた、と言う人も多いけど、そうじゃないと信じたいよ。
仲が良い程、最期が辛くなりますが…。
文章が不必要なくらい政宗様を褒めてるのは、小次郎目線で、小次郎がそれだけ兄上を慕ってた、という気持ちの表れです。
しかし、小次郎君は何とも謎が多すぎますな。
実際、いくつ違いだったのかも、明確な記録ないんだよね。勘当された時に、全部消されたのかな?
とすると、弟→兄はともかく、兄→弟は、本気で嫌ってたかも……。
嫉妬ですね、嫉妬!Σ(●Д´;)
このお話、密かに「俺も痛い。」とリンクしております。
一応、伊達なショートストーリーズは、全話通して時間軸が繋がってるんですよー(*●∀´*)
兄弟二人でお出掛け。
ずっとこんな時が続けば良いのに…。
ほのぼの小噺です。
ときみなり初!成実が出て来ません!!(*●∀゜*)
天正15年、政宗様が小次郎を資福寺に連れてった。という逸話を目にしまして、たまには成実の出ない話も書いてみようかと。
この兄弟は、ホント切ない。
家主は、兄弟仲は良かった派。母親の影響で小次郎は兄を嫌ってた、と言う人も多いけど、そうじゃないと信じたいよ。
仲が良い程、最期が辛くなりますが…。
文章が不必要なくらい政宗様を褒めてるのは、小次郎目線で、小次郎がそれだけ兄上を慕ってた、という気持ちの表れです。
しかし、小次郎君は何とも謎が多すぎますな。
実際、いくつ違いだったのかも、明確な記録ないんだよね。勘当された時に、全部消されたのかな?
とすると、弟→兄はともかく、兄→弟は、本気で嫌ってたかも……。
嫉妬ですね、嫉妬!Σ(●Д´;)
このお話、密かに「俺も痛い。」とリンクしております。
一応、伊達なショートストーリーズは、全話通して時間軸が繋がってるんですよー(*●∀´*)
さやさやと秋風が頬を掠める陽だまりの縁側で、うつらうつらとしている時だった。
「小次郎、いるか?」
突如投げ掛けられたのは、当主である兄、政宗の声。
慌てて部屋へ飛び込み、姿勢を正して、
「はい!おります。」
と返すと、現れた彼は出支度を整えていた。
「小次郎、暇か?」
「はい…恥ずかしながら、居眠りをしておりました。」
「ハハハ!そっか。なら、ちょっと顔貸せ。」
一体何の用向きだろうか。
訝しげに思いながらも、滅多にない兄との同道、これは良い機会と喜んで立ち上がった。
「こうして二人で出掛けるのは初めてだな。」
三歩前を歩きながら、兄の背中が語り掛ける。
「そうですね。」
城内でさえ二人きりで過ごした事は一度もない。それを望まぬ人々の視線が痛いから。
「お前は兄が嫌いか?」
「滅相もない!尊敬しております。」
偽りない気持ちを伝えると、
「小次郎は随分、真っ直ぐに育ったものだなぁ、俺と違って。」
同じ親から生まれたとは思えねぇ、と豪傑笑い。
「小次郎をこんな風に育てた母上も、きっと真っ直ぐな方なんだろうなぁ…。」
空を仰ぎ、ポツリと呟いた兄の一言は、不可思議な程澄んで耳の奥へと届いた。
自分が生まれるより前の事。兄は疱瘡によって右眼を失ったという。
それ以来、母は兄を遠ざけるようになり、自分はその兄と殆ど顔を合わせる事なく、母の御殿で育てられた。
「政宗は当主に相応しくない。」
母はしばしば口にする。
「あの様な乱暴者を当主に据えたのでは、伊達家の滅びるも時間の問題じゃ!小次郎の方が父上に似て思慮深く、見目も良く、当主となるに相応しいものを…。」
その言葉を聞く度、胸が痛む。
文武に秀で、何事も人並み以上にそつなくこなし、家臣や領民を労わる心も持ち併せた兄。
多少強引な処はあれど、先頭に立ち人を率いる度胸と統率力を有する兄。
内面を見れば、これ程までに優れた人間が他にいようかという逸材であるのに、唯一つ、唯片眼が欠損しているというだけで、何故こんなにも人の見る目は変わるのか。
しかし、母はきっと、心から兄を疎んじている訳ではない。
昔、自分がまだ幼かった頃。去って行く兄を見送る母が、一度だけ泣いた事がある。
あの時はよくわからなかった涙の意味。
今は少し、理解できた気がするんだ。
だから―――。
二人を繋ぐ架け橋さえあれば――――――。
「小次郎、着いたぞ。」
物思いに耽っていたところ、兄の声に呼び戻された。
「は、はいっ!…此処は?」
「資福寺だ。」
資福寺といえば、兄が幼い頃、虎哉和尚より学んだ寺。だったはず。
兄は慣れた様子で躊躇う事なく中へと踏み込んで行き、奥で何やら話声が聴こえたかと思うと、
「小次郎、何してる!?来いっ!」
怒鳴り声が飛んで来た。
ハタハタと慌てて声の主を追い境内に入ると、彼と共にそこにいたのは初老の男―――初めて対面した虎哉和尚は、色黒で厳めしい顔つきであるが、そこはかとなく懐の深い印象を受けた。
「弟の小次郎です。」
兄の紹介に黙って会釈すると、和尚はふむふむと二度程頷き、
「聡明そうな顔つきじゃのう。殿とは似ても似つかぬわ。」
顎をなでなで皮肉っぽく言ってのけた。
兄が機嫌を損ねたのではと恐る恐る伺えば、苦々しくも笑っていたので、どうやら昔からこんな関係だったようだ。
パチ!
小気味好い音と共に、また一つ石を打つ。
夕餉の後に、月明かりの下始められた縁側の囲碁勝負は、これで三局目。
今宵は昔を懐かしみつつ資福寺に泊まる事となった。和尚はすでに床に就いてしまった様で、辺りの静寂に兄弟の息遣いと虫の声だけが音を添える。
パチ!
また黒石が一つ増えると同時に、
「小次郎の勝ちに御座います。」
そう告げられて、政宗はハッとして盤面を凝視したが、確かに結果は明らかだった。
「あ゛あ゛あ゛…くそっ!また俺の負けか!?」
「兄上は一つ処にこだわり過ぎなんですよ。」
実はこの勝負、三局続けて弟が勝っている。
如何なる事も平然と涼しい顔でこなして来た政宗であるが、囲碁・将棋となると、まだ元服して間もない弟に勝てない。
しかも中押しとは、兄としても当主としても、沽券に関わる大問題である。
石を碁笥に戻しながら、ふと空を仰ぐと、半円の月が輝いている。
「―――小次郎、俺は完璧な人間じゃない。」
「…は?」
「けどな、その足りない部分はお前がいる事で補う事が出来る。」
「…はい。」
「あの弦月はもう半分と合わせて、漸く望月となる。俺とお前も二人合わせれば完全になる。そうだろ?」
「はい。」
「俺はな、お前と共にこの奥州を…そして行く行くは天下を、支えていきたいんだ―――。待ってるからな、小次郎!」
そうして小次郎の肩を強く叩き、まだ夜も更けぬというのに、政宗は早々と隣室へと消えていった。
人前で寝姿は見せない。それが彼の信条だと聞く。
「兄上。小次郎は必ずや兄上の期待に添える武将となってみせます!」
壁に向かって投げ掛けると、返事の代わりに壁を打つ音が響いた。
皮肉な運命が二人を分かつ四年前のお話―――。
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自己紹介:
伊達成実・伊達綱宗・大崎義宣をこよなく愛する京都人です。
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【1】記事のコメント(本文以外未入力可。家主が承認後公開設定。『非公開で』とお書き添え頂ければ公開致しません)
【2】拍手コメント(非公開)
【3】メールアドレス toki716zane@yahoo.co.jp (件名に『716日より』と入力お願いします)
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