伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.20Thursday
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「厨に行くぞ。」
2021.04.17Saturday
時宗丸+実元+梵天丸
ほのぼのと父子の休日?
時宗の郷帰りです。
父上の人格が、少しずつ明らかに(●∀´;)
漸く実元さん、まともに登場!
人格がまともかどうかは…各自の判断にお任せしますよ(●∀´;)
幸せな親子の戯れが書きたかったんです。
時が幸せだと、家主も幸せvV(もう手がつけられないんで、生暖かく見守ってください…。)
名前の一文字すら出て来ませんが、もちろん淡路も一緒に郷帰りですよー。
両親がいるので、時宗は親に任せといて、たまには心と身体を休めなさい、という事で、淡路、独りの時間を満喫中♪
タイトル『厨(くりや=台所)に行くぞ。』なんで、時宗の台詞と思わせといて実は梵の台詞っていう如何でも良いフェイント。
ほのぼのと父子の休日?
時宗の郷帰りです。
父上の人格が、少しずつ明らかに(●∀´;)
漸く実元さん、まともに登場!
人格がまともかどうかは…各自の判断にお任せしますよ(●∀´;)
幸せな親子の戯れが書きたかったんです。
時が幸せだと、家主も幸せvV(もう手がつけられないんで、生暖かく見守ってください…。)
名前の一文字すら出て来ませんが、もちろん淡路も一緒に郷帰りですよー。
両親がいるので、時宗は親に任せといて、たまには心と身体を休めなさい、という事で、淡路、独りの時間を満喫中♪
タイトル『厨(くりや=台所)に行くぞ。』なんで、時宗の台詞と思わせといて実は梵の台詞っていう如何でも良いフェイント。
あいつが郷帰りした。
たった一人いないだけで、城はこんなにも静かになるものなんだなぁ…。
随分長い間忘れていた。
久々に、ひとり、だ。
陽だまりの縁側に、のびのびと四肢を広げて眠る息子はまるで鯵の干物の様だ、と実元は思った。
徒に鼻を摘んでみたところ、鯉の様に口をパクパクさせ、次第に眉根を寄せる。手を放すと、「ふに~」と不可思議な声を漏らし、また幸せそうに寝息を立て始める。
傍らに屈み込み、暫く眺めていると、彼は大きく寝返りを打ち―――ボスッ!とくぐもった音と共に視界から消えた。
「い…たたた。」
腰を擦りながら縁に這い上がろうとバタつかせる手足、ついに堪え切れず噴き出してしまった。漸く傍観者の存在に気づいた息子は、少々頬を紅潮させて、
「父上!人の悪いっ!!」
と叫ぶ。
「いやはや。久々に会うたが、相変わらずお前は見ていて飽きないなぁ。」
「時はからくり人形では御座いませぬ!」
「おうおう、わかっているとも。からくり人形よりも時宗丸の方が、よほど面白いわ。」
豪快に笑う父を突き飛ばそうとしたら、ひらりとかわされ、自分だけが畳の上に倒れ込んでしまった。
何年経とうとも、この人には敵わない。
大好きだったこの空気。懐かしさを噛み締めながら畳の目をなぞっていると、ふいにふわりと身体が宙に浮き、目線がぐんと高くなった。
父の肩車。
一人っ子の時宗丸にとって、此処はいつでも自分だけの席。以前よりも少し狭く感じるのは、きっと自分が成長した証だ。
「時宗丸。釣りに行くか?」
「はいっ!」
数年ぶりの父との戯れ、意気揚々と応えたも束の間、父が障子を抜けようとした瞬間、
ガンッ!!
骨に響く派手な音。
「おう、すまんすまん。大丈夫か?」
「ちちうえぇぇ~…。」
鴨居に顔面を強打するのも、自分が成長した証、だ。
鮎が豊富な時節だ。
川へ出るなり実元は袴をたくし上げ、臆面なく水の流れに分け入った。
釣竿を持ち出さなかった時点で予想はしていたが、一応尋ねてみる。
「父上、竿は要らんのですか?」
すると父は、
「糸を垂らすよりも、この方が早くて確実だ。そら時宗丸、お前も来い。今宵は鮎の塩焼で宴と行こうではないか!」
両掌に掬(すく)った水をぱさりと投げ掛けられ、前髪から雫が滴る。
最後の一粒を見届けると同時に、時宗丸はニッと白い歯を見せ、
「父上ー!覚悟ーっ!!」
と叫びながら、父目掛けて飛び込んだ。
父子は指先がすっかり白くふやけるまで川遊びに興じ、大量の鮎を引っ提げて帰城したのだった。
そして、脳天から爪先まで余す事なく濡れ鼠と化した体裁の悪い姿を、父子共々母に咎められたのである―――。
『ぼーんー!朝だぞー。朝餉に行こうぜ!!』
日々定例になっていた声が無くなって四日。たった四日だ。
だというのに、もう十年も離れていた気さえする。
「もう戻って来なくて良いぜ…。」
あんなに帰りたがっていた大森へ、漸く帰れたのだから。
親子水入らずの時間を過ごしているのだろう。このまま大森に留まる事が時宗丸にとって一番の幸せだというくらい、言われずとも明らかだ。
「何だよ、折角戻って来たのに。」
不意に落とされた声にハッとして顔を上げると、誰もいないはずの半開きの障子から、此方を見下ろす双眸。
「時…?」
「そうだよ。もう忘れたのか、俺の顔?」
如何やら幻覚ではなさそうだ。まさか、こんなに早く戻って来るなんて―――。
「梵、土産だ!」
時宗丸の小さな両手には、紐で括られた六匹の焼鮎。
「朝飯食ったか?折角急いで戻ったんだ、これ食おうぜ!」
白い歯を覗かせて、いつもの笑顔を見せる。
―――刹那でも疑って悪かったな。
すっくと立ち上がり時宗丸の衿を掴むと、梵天丸は、
「厨に行くぞ。」
従弟を引き摺る様にして、寝室を後にした。
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遥瀬ねこたろう
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非公開
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伊達成実・伊達綱宗・大崎義宣をこよなく愛する京都人です。
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【1】記事のコメント(本文以外未入力可。家主が承認後公開設定。『非公開で』とお書き添え頂ければ公開致しません)
【2】拍手コメント(非公開)
【3】メールアドレス toki716zane@yahoo.co.jp (件名に『716日より』と入力お願いします)
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