伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.20Thursday
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「お帰りなさいませ。」
2021.04.17Saturday
十波+千雪+成実
成実と十波の娘が登場します。
いっそ包み隠さず正直に言っちゃうよ。
成実に自分の事『ととさま』って呼ばせたい為だけに書きました!!
本当にそれだけの為に、一遍話を作った救いようのない家主…(●∀´;)
いつも以上に文章が稚拙……。
成実が一番幸せだった頃、がテーマです。
千雪はもちろん創作の名前。母は海に関する名前、娘は雪に関する名前にしたかったのです。
当時、千を『ち』て読むのかなぁ?というのが不安だったけど、『千葉』という名の人がいたので、なくはないなという事で。これが本当に『ちば』ならね…。
成実と十波の娘が登場します。
いっそ包み隠さず正直に言っちゃうよ。
成実に自分の事『ととさま』って呼ばせたい為だけに書きました!!
本当にそれだけの為に、一遍話を作った救いようのない家主…(●∀´;)
いつも以上に文章が稚拙……。
成実が一番幸せだった頃、がテーマです。
千雪はもちろん創作の名前。母は海に関する名前、娘は雪に関する名前にしたかったのです。
当時、千を『ち』て読むのかなぁ?というのが不安だったけど、『千葉』という名の人がいたので、なくはないなという事で。これが本当に『ちば』ならね…。
うっすらと雪化粧を纏った庭木の間をひらりひらりと舞う幼い娘は、まるで季節外れの胡蝶の様だと思った。
与えられた『千雪(ちゆき)』という名に相応しい真っ白な肌は、今にも景色が透けて見えそうで、何処か儚げな空気を纏っている。
このまま雪景色に消えてしまうのではないか。
ぼんやりとそんな不安が過ぎった処へ、胡蝶が両の脚を以てサクサクと新雪を踏み鳴らしつつ駆けて来た。
「かかさま、おててがつめたい。」
突き出された、ほんのり朱く染まった掌。その両手を我が手に包み、息を吹き掛けながら、
「もう中へ入りましょう。身体に障るから。」
と、小さな身を抱き上げて、障子を閉めた。
火鉢の中でパチリと炭が弾ける。
「かかさま。ととさまはいつおかえりになるの?」
膝の上にちょこりと座る幼子が、大きな双眸でじっと此方を見上げている。だが、その問い掛けに明瞭な答えは出せなかった。
「さぁ…遠くの国にいらっしゃるから……。」
曖昧な返答に娘はぷうっと頬を膨らませてそっぽを向く。本音を語れば、自分自身心中そんな想いだった。
いつ帰るのか。本当に帰って来るのか。戦火に散りはしないか。
見知らぬ土地で戦に追われる日々は如何様なものなのか、女子(おなご)の身には、とても理解できる事ではない。
ただ無事を祈り、愛娘を育て、共に待ち続ける。それだけが今、自分に出来る事―――。
「あ。」
はたと発された声と共に、バタつかせていた脚がピタリと動きを止めた。
「千雪?如何したの??」
覗き込むと、娘はくるりと振り返り、にんまり笑って言った。
「ととさまがおかえりになりました。」
自信と喜びに満ちた声。唐突に、一体何を言い出すのか。
「父様(ととさま)が?如何してわかるの?」
尋ねると娘は尚笑って、
「ととさまのおうまがなきました。」
と告げた。
幼子は感受性が強いと云うが――。
逢いたい気持ちが作り出した幻ではないか。疑念を持ちつつも、万が一に期待を懸けて、瞳を閉じ耳を澄ましてみる。
―――何も聴こえなかった。
しかし、娘は相変わらず瞼を下ろしたまま嬉々として鼻唄を歌うので、暫くそれを真似てみる。
すると次第に微かな地響きを感じ、遠くで馬の嘶きが―――やがて蹄の音が近づき、人の声が加わり、おそらく門を潜った様子。
馬から飛び降り、草履を脱ぎ捨て、屋敷に駆け込む姿が瞼の裏にまざまざと映り、同時にけたたましい足音が耳に届く。
腕を振り解き、娘が膝から飛び立つ。
激しい音を立てて障子が開かれた刹那、
「ととさまっ!!」
甲高い声を上げて飛びついた娘を満面の笑みで抱き留める男(ひと)は、待ち焦がれた最愛の夫―――。
「ととさま、きたない。」
「そんな事言うなよぅ。父様、頑張って来たんだぞ?」
全身埃に塗れ、処々に傷や紅黒い染みの見える清潔とは程遠い陣装束のまま、決して褒められた事ではないが、しかし着替えるよりも先に逢いに来てくれた事が何より嬉しかった。
「藤五郎様…お帰りなさいませ。」
しずしずと三つ指をつくと、彼は軽く眼を細め、小さく手招き。それを見るや否や、カッと瞳の奥が熱くなり、早鐘を打ち、まるで子供の様にその胸に突進していた。
「お帰りなさいませっ!」
「ただいま、十波!」
右の腕に抱えた幼い我が子。左の腕に抱き締める愛しい妻。長く離れていた家族の温もりが戦の疲れなど吹き飛ばし、冷え固まった心を融かしていく。
「ととさま。ちゆきはいろはをおぼえました。」
「おおっ!?凄いなぁ、千雪は偉いなぁ。」
「ととさま。こよいはおててをつないでねたいです。」
「じゃあ、父様と千雪と母様(かかさま)、三人でおててを繋いで寝ような。」
日毎に成長していく我が子との他愛無い会話がやけに身に沁みる。
叶わぬものと知りつつも、この平安がいつまでも続けば良いと願っていた―――。
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遥瀬ねこたろう
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非公開
自己紹介:
伊達成実・伊達綱宗・大崎義宣をこよなく愛する京都人です。
ご連絡は以下の3つの方法にて承っております。
【1】記事のコメント(本文以外未入力可。家主が承認後公開設定。『非公開で』とお書き添え頂ければ公開致しません)
【2】拍手コメント(非公開)
【3】メールアドレス toki716zane@yahoo.co.jp (件名に『716日より』と入力お願いします)
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