伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.19Wednesday
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「もしも生まれが違っていたなら…」
2021.04.17Saturday
成実+少年
捏造著しく、摺上原に臨む成実の独白です。
そんなエピソードは何処にもないよってくらい捏造してますので、ご注意ください。
『成実は強く逞しくないとダメだ!』という方は読まれない方が…て、そんな方はすでにうちのSSなんて読まれてないですよね(●∀´;)
義広の母は晴宗の娘。つまり成実とは従兄弟。
『友』どころか、血縁やん!
という事に、書き始めてから気づく、学習能力の無い家主です…。
さらに、父方を辿れば従姉の子…というのはなんて言うんだろう?甥、ではないよね??
親等的には、殿と成実の場合と同じですね。
『与四郎』は偽名です。
義広の偽名何にしよーと思いながら正統世次考読んでたら出て来て(誰だっけ?)、そういや八犬伝の信乃さんのわんこも与四郎だったなーと懐かしくなり、つけた。(高校時代、八犬伝にハマってたんです。)
そんないい加減なネーミングでスイマセン///
捏造著しく、摺上原に臨む成実の独白です。
そんなエピソードは何処にもないよってくらい捏造してますので、ご注意ください。
『成実は強く逞しくないとダメだ!』という方は読まれない方が…て、そんな方はすでにうちのSSなんて読まれてないですよね(●∀´;)
義広の母は晴宗の娘。つまり成実とは従兄弟。
『友』どころか、血縁やん!
という事に、書き始めてから気づく、学習能力の無い家主です…。
さらに、父方を辿れば従姉の子…というのはなんて言うんだろう?甥、ではないよね??
親等的には、殿と成実の場合と同じですね。
『与四郎』は偽名です。
義広の偽名何にしよーと思いながら正統世次考読んでたら出て来て(誰だっけ?)、そういや八犬伝の信乃さんのわんこも与四郎だったなーと懐かしくなり、つけた。(高校時代、八犬伝にハマってたんです。)
そんないい加減なネーミングでスイマセン///
「もしも生まれが違っていたなら…そなたとは生涯の友となれたやも知れぬ。」
その笑顔はいたく寂しげで、群にはぐれた渡り鳥を想い起こさせた―――。
出会いは至って偶然だったはずだ。
たまたま通り掛かった川辺で、蹲る老人とそれに寄り添う少年を見つけた。
聞けば、老人が膝を痛め、歩けなくなってしまったという。うちにもよく腰を擦りながら、歳を取るのは口惜しいですなぁ、などと嘆いている者がいる。この先の寺に用向きだというので、馬に乗せて寺まで送ってやった。
少年は与四郎と名乗った。
色白で見目の整った小柄な少年。敢えて尋ねはしなかったが、何処ぞの良家の子息である事はすぐにわかった。立ち居振舞いが育ちの良さを体現していたからだ。
自分よりいささか若い少年と、道中話に花が咲いた。彼は五日程寺に滞在するという。また明日会おうと約束を交わし、その日は別れた。
―――藤五郎。
己が名を伝えて。
それから何度か会った。彼は年に幾許かあの寺にいる知人を訪ねるらしい。
お互い家の話等はしなかったし、何処の誰とも知らぬまま、連絡を取り合う術も無かったが、我が居城から近い事もあり、偶然出会う事はしばしばあった。
「藤五は人が好きか?」
ある日俄かに、与四郎が問うた。
「は?何、突然??」
「いや。人づきあいとは難しいものだと…思い知らされる事が度々起こるのだ。藤五は人を纏めるのが上手そうだと思ってな。私は如何にも、上手くいかぬ…。」
瞼を伏せると、長い睫毛も手伝って、より一層陰りが増した。
いつも何処か物哀しげな空気を纏うこの少年は、一体どれ程のものを背負っているのか。脳裏には自ずと、十八で名家を背負う事となった我が主の顔が浮かぶ。
「信じろ!」
唐突な一声に彼はポカンとして此方を見上げて来た。初めて見る、歳相応の表情(かお)だ。
「信頼は与えた分だけ返って来るもんだ。疑ったら其処で終いだろ?」
無意識に彼の頭をわしわしと撫でたら、眉を顰めて笑われた。
「藤五。そなたは人を信用し過ぎると言われないか?」
「ああ、よく言われる。うちの殿には、お前は餅だとか言われるよ。人をくっつけて放さないって。」
「ハハっ!芽出度いな。」
「そんなつもりないんだけどな。でも、うちの奴等とは上手くいってるつもりだ。」
「―――なら、私も藤五を見習ってみるとしよう。」
まだ幼さの残る少年は、瞳を細め、空を仰いで呟いた。
そのあどけない笑顔に、そっと胸を撫でおろしたのは、いつしか彼を弟の様に思い始めていたせいかもしれない。
いつだって戦に「まさか」はつきものだ。初陣から八年、良くも悪くも思いがけぬ出来事には幾度となく遭遇した。
だが、これ程までに胸を痛めた事があったろうか?
勢い任せに単騎敵の陣中に飛び込めば、其処には「まさか」の顔があった―――。
「お前が…芦名、義広?」
唇が震える。
眼前の少年は真っ直ぐに射抜く様な眼差しで我が瞳を貫き、
「そうだよ藤五。相違なく、私が芦名二十世、義広だ。」
ハッキリと、澄みきった声で、告げた。
愕然とする様を見て、彼の瞳に罪悪感が浮かぶ。
「―――本当は、気づいていたんじゃないのか?」
ぽつりと零したその一言に、心臓が跳ねた。
気づいていた、とは言えない。しかし、きっと、何処かの敵将だと本能が告げた。だから一度も家の話も主の名も出さなかったのだ。
悪い予感を打ち消して、生涯対峙する事は無いものと信じようとした。首を獲る事も獲られる事も考えたくなかったから―――。
「そなたは実に人を信用し過ぎる。あまりに朴直なものだから、この名一つ偽るにも心苦しかった。
伊達領で藤五郎と聞けば、政宗公の片翼、藤五郎成実だろうと察しはつくよ。戦場(いくさば)で顔を合わせれば生きては帰れぬと評される伊達成実が、そなたの様な優形の男とは思わなんだが…。」
「悪かったな、優形で。」
不貞腐れて眼を逸らそうとした瞬間、
「もしも生まれが違っていたなら…。」
独白の様に零した曇り声。ああ、ほら、また―――そんな表情で笑うなよ。
「そなたとは生涯の友となれたやも知れぬ。」
いっそ、恨み辛みを並べ立て斬り掛かってでも来れば、俺もお前を恨む事が出来るのに―――。
もしもお前が誇りない人間であったなら。
もしもお前が国も臣も捨てて、保身に逃げてくれたなら。
こんな想いをしなくて済んだのにな。
初めて敵に背を向けた。とにかくその場から一歩でも遠く、速く、離れたかった。
刃の様な風が頬をすり抜けていく。
馬の背に跨り、ぼんやりと思っていた。
ああ、きっとまた、梵に殴られる―――。
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遥瀬ねこたろう
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自己紹介:
伊達成実・伊達綱宗・大崎義宣をこよなく愛する京都人です。
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【1】記事のコメント(本文以外未入力可。家主が承認後公開設定。『非公開で』とお書き添え頂ければ公開致しません)
【2】拍手コメント(非公開)
【3】メールアドレス toki716zane@yahoo.co.jp (件名に『716日より』と入力お願いします)
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御尋ね者は此方から
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