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伊達好きねこたの歴史関連や創作物についての呟き処+創作小説置き場(もちろんフィクション)です。
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2025.11.19Wednesday
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「左様なもので。」
2021.04.17Saturday
小十郎+淡路+梵天丸+時宗丸

やった!小十郎を前面に押し出してみたよ(*●∀゜*)b
と、思わせといて…こじゅ哀れな……。
子供達の悪戯に悩める年長組の躾談義?
おふざけモード全開の小噺です。

某映画を見た影響で、悪戯話が書きたい。から始まった今回のお話。
『大人目線の悪戯話』です。
牛蒡が何処から湧いて出たかは…まぁ、判る人には判るネタという事で…。

『傅役を担ったあの日』はあんなにも腹黒さを滲み出させていたのに、今やすっかり胃痛持ち…。
小十郎、すまぬ!
これ、当時は多分『ごめん』の意味合い違うよなって思って敢えて子供なのにおっさ…大人っぽい言葉遣いにしましたが、家主、過去に『ごめん』て言わせてるよな、梵に…。
そして小十郎は何気に虎哉和尚の訓えに相反する事を申しております(●∀´;)
良いのだ、たまには甘やかしてあげたいのだ!!

淡路は書いてて楽しいです!
ここんとこ出番が無かったので、此処ぞとばかりに大人の魅力を前面に……ちゃんと出てるかしら?
時は小十郎になでなでされる梵を見て、羨ましくなっちゃいました。甘えたい時だけ、淡路の前で自分の事『時』って呼ぶんだよ。
淡路はいつでも『大人の余裕』vV

なんかホント、家主は本家の扱いひど過ぎると思います…。



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廊下の角を曲がると、庭に脚を垂らして俯く人物があった。それは主の主の傅役、平たく言えば同輩である。
「如何なされた、小十郎殿?」
彼の人が三度目の溜め息を吐いた時、見かねて声を掛けた。
「淡路殿…これはお恥ずかしい所を。」
「いえいえ。体調が思わしくない様で?」
すると彼は尚いっそう深い溜め息を零し、鳩尾の辺りを擦りながら、
「胃が痛みます。梵天丸様がお元気になられたは良いが…悪ふざけが過ぎまして。」
冷や汗が一筋、頬を伝った。
彼を悩ませる主に歳相応の感情を取り戻させたのが我が主なら、何かと悪智恵を授けているのもまた我が主なのである。
「昨夜は部屋に戻ると障子が全て取り払われておりまして、漸く片して床に就こうとすれば褥に蒟蒻が敷き詰められ、今朝起こしに参れば欄間から水が降って来て、更に畳を起こして障壁を作られているという二段構え、机に向かえば筆という筆が牛蒡にすり替えられており…私に傅役を辞めよと暗に訴えていらっしゃるのでしょうか……?」
「そ、それは災難な事で…。」
主の悪戯も過去に己が標的にされた頃より進化している。
「されど、それは気持ちの裏返しでありましょうや。」
「気持ちの裏返し?」
「かまって欲しい為にわざと悪事を働き、気を引こうとする。子供とは左様なもので御座いますれば。」
「……左様なもので?」
「左様なもので。」
空を仰ぎ晴々と笑う淡路。己より三年長く生き、六年長く悪童の傅役を務める彼の余裕は経験からしか得られぬものであろう、と小十郎は先程とは違った意味合いの溜め息を漏らした。

と、其処へ。
「小十郎!小十郎、何処…あっ、こじゅ見っけ。時、淡路もいるぞ。」
話題の中心が連れ立って現れた。
「淡路、西瓜!資福寺で西瓜採れたから、食おうぜ!!」
時宗丸は細い腕に抱えられた巨大な西瓜を高々と持ち上げて見せる。
「それは良う御座いますな。なれど、その前に先ずなさねばならぬ事が御座います故、御二方、其処にお座りなさい。」
そうして、子供達の前まで進み出ると、淡路は躊躇う事なくその拳を振り下ろした。
「淡路殿っ!」
「いっでええぇぇぇーっ!!」
「何すんだ、いきなりっ!?」
「思い当たる節は御座いませんか?」
その一言に瞳を泳がせ黙り込む二人。
「赤子ではあるまいに、斯様な時に言うべき言葉は御存知でしょう?」
「小十郎、すまぬ!」
率先して詫びを述べたのは時宗丸だった。根が正直な彼は、相手が目下の者であろうと、己に非があれば素直に反省し、謝罪する。
「さて。若君は?」
皆の視線が集まる中、梵天丸は渋い表情(かお)で床板を見据えていたが、やがて観念した様に、
「梵が悪かった。許せ、小十郎…。」
風に消えそうな声で呟いた。
小十郎は徐に立ち上がると、梵天丸の前に膝を着き、
「痛い時は痛い、寂しい時は寂しいと仰せなさいませ。小十郎はいつでも御傍に居りまする。」
彼が傅役を担ったあの日と同じ、温かな右手で主の脳天に腫れ上がったコブを撫でた。
子供扱いするなと反論したい所だが、実際児戯を仕掛けたのは己の方なので、順良に受け入れるしかない。
「淡路、時も痛いの。なでなでして。」
「はいはい。」
そして、米沢城には平和が戻り、縁側に四人並んで西瓜を貪ったのだった。

淡路の凶行に吃驚していた小十郎は、数年後、前代未聞の凶行に及ぶ事になるのだが、それはまた後日の談として―――。
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